治験について

治験とは?

治験とは、国(厚生労働省)から承認を受けるために行う臨床試験のうち、新薬や新しい医療機器の製造承認を得るために主に製薬企業が行う試験のことです。(医師が実施する「医師主導治験」という種類もありますが、数は多くありません)

日本では、難治性の病気を治療する新薬の開発が活発に行われています。
新薬を開発し、患者さんに提供するには、国に「この薬を患者さんに使っても安全で、病気の治療に一定の効果があります」と認めてもらわなければなりません。
国に薬の効果と安全性を認めてもらうために、通常はまず研究室での実験や動物試験などを行います。この結果、人体に使用しても効果や安全性に一定以上の評価ができる判断された薬のみ、次の段階である治験(人の体を使った試験)に進みます。治験の結果が良好で、厚生労働省から承認が下りると、承認された疾患の範囲内で新薬を使用することができるようになります。

※治験は全国各地の病院で行われているわけではなく、実施できる医療機関は定められています。

治験情報 (2023年10月現在)

トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)の術前療法後のHER2陽性乳がん患者を対象とした第3相臨床試験
対象:術前療法を経た手術後に乳房または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有するHER2陽性乳がん患者
概要:DS-8201 vs TDM1の直接比較試験。有効性の腫瘍評価項目は、無浸潤疾患生存期間(IDFS)。安全性の評価も有害事象などで行う。

治療歴のある切除不能局所進行性又は転移性 HER2 陽性乳癌患者 を対象に MK-7119 +トラスツズマブ及びカペシタビン併用療法を 検討する第 2 相非盲検単群試験
対象:前治療歴のある切除不能な局所進行性又は転移性 HER2 陽性乳癌を有している患者
概要:Tucatinib とトラスツズマブ、カペシタビンを併用した場合の有効性及び安全性を評価する。

DESTINY-Breast06
HER2 低発現ホルモン受容体陽性の転移性乳癌に対する内分泌療法で病勢進行が認められた乳癌患者を対象として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と医師選択化学療法を比較検討する多施設共同無作為化非盲検第 III 相試験。
対象:HER2低発現( IHC >0 <2+、ISH-)の転移性乳がんを有し、内分泌療法による前治療歴のある患者。
概要:医師選択単剤化学療法とT-DXd を比較し有効性及び安全性を検討する。

KEYNOTE-B49
化学療法が適応となるホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+/HER2-)の切除不能な局所再発又は転移性乳癌患者を対象に、MK-3475+化学療法をプラセボ+化学療法と比較する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第Ⅲ相試験
対象:PD-L1(CPS1以上)、HR+/HER2-の切除不能な局所再発又は転移性乳癌を有し、内分泌療法による前治療歴のある患者
概要:MK-3475+化学療法とプラセボ+化学療法で比較検討を行いた無増悪生存期間(PFS)並びに安全性を評価する。