診療の特徴

新設された診療科

近年急増する悪性腫瘍、乳がん。乳がんは本邦の女性が罹患するがんとして最も多く、国を挙げて乳がん診療を対策する必要があります。東京医科大学乳腺科は、急増する乳がんに対応すべく新設された新しい診療科で、乳腺腫瘍の診断と治療に特化しています。大学病院の強みを生かした最新の診断機器と設備を備えて患者さんに最良の医療を提供し、乳房温存率は7割を越えます。

骨転移治療施設

乳がんは比較的骨に転移する可能性が高い疾患として知られています。東京医科大学乳腺科は、乳がんの骨転移形成機序に基づく治療体系のもと、乳がん骨転移先進治療を実施している診療科です。

専任看護師の設置

東京医科大学病院乳腺科では、専任看護師(乳がん看護認定看護師)を設置し、乳がん看護に特化した看護師による相談外来を実施しています。
この相談外来では、がん治療や日常生活での困難、迷い、悩みなどを自由に看護師に話すことができます。相談内容に制限はなく、病気に関すること以外でも構いません。専任看護師が、相談内容をすべて受け入れアドバイスを提供します。
乳腺科の専任看護師は現在1名が在籍しており、専門家としてできるだけ患者さんの立場になり、患者さん自身にとって一番良い選択をしていけるよう、病気を受け止めて一緒に考えていくことを重視しています。

乳房再建における形成外科とのネットワーク

東京医科大学病院では乳腺科と形成外科が密な連携体制をとり、より質の高い治療の提供を目指しています。
たとえば、乳房切除術の後、希望される患者さんには乳房再建術を行いますが、この手術は形成外科にて実施されます。この流れをスムーズにするためには、乳腺科と形成外科のネットワークが欠かせません。両科が緊密な連携をとりながら、乳がん治療と乳房再建を実施しているため、疾患治療から整容性(見た目)のケアまでを一手に担うことができます。

週1の診療科カンファレンスの実施

乳腺科では、週に1度を目安に診療科カンファレンスを行います。定期的に医師や看護師、薬剤師、心理士など全職種のスタッフが集まってカンファレンスを実施することにより、乳腺科というチームの団結力を深め、個々の患者さんの状況が全スタッフに周知するよう徹底しています。

診療科連携

形成外科との連携

東京医科大学病院では乳腺科と形成外科が密な連携体制をとり、より質の高い治療の提供を目指しています。
たとえば先に述べた乳房再建術は形成外科にて行いますが、乳房をきれいに再建するためには、予め乳腺科で手術の手順や方針に関する調整を行う必要があります。具体的には「乳がんを確実に摘出できる場所を切開するが、切開位置は傷が目立ちにくい箇所であること」「乳がんに近い部位の皮下脂肪は確実に切除するが、乳がんから遠い部位の皮下脂肪の切除は適度にとどめ、自然な丸みを残した乳房にする」などです。
このように乳腺科では形成外科と緊密な連携をとりながら、乳がん治療と乳房再建を実施しています。
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地域医療連携

その他、乳腺科は近隣施設との連携医療にも力を注いでいるという特徴を持ちます。
東京医科大学は高度医療の病院であり、主に急性期の医療を担います。乳がん患者さんが急性期を脱してからは地域の病院にお戻りいただき、地域にて日常的な診療や経過観察を受けることになります。患者さんが安心して地域医療に戻るためにも当院と地域の治療方針に齟齬があってはなりません。そのため、東京医科大学乳腺科では、患者さん地域に戻られてからも満足のいく医療が受けられるように環境整備の構築に務めています。
たとえば連携施設とは3ヶ月毎に「乳がん連携医療の会」を開催するなど、情報交換を欠かしません。さらに当院では「二人の主治医を持つ」ことを提唱し、かかりつけ医と大学病院が役割分担を明確にし、協力体制のもとで質の高い医療が提供できるよう努めています。
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